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2013.10.17
ダンダリン第3話 その1
第3話は、労働安全衛生法の話でした。
・・・って、このブログすっかり「ダンダリン特集」になってますねぇ~(^_^;)
「話題になってるし・・・」と半沢直樹を途中からみたぐらいで、連続ドラマなんて、ここ何年もご無沙汰でした。
しかし今回は自分の仕事に直接関わるドラマのため、ついついテレビの前に座ってしまいます。
第3話は、主人公の上司と友人関係にある工務店社長が、従業員の落下事故の際、現場に立ち会っていたかどうかが問題となっていました。
社長は現場にいなかったのではないかと疑う主人公と、現場にいたと結論づけようとする主人公の上司との間の確執が見どころといった感じです。
今回の社長は今まで出てきた社長とは異なり、従業員にも慕われる「いい社長さん」でした。
ただ、経営が思わしくなく、事故発生のうえ、労働安全衛生法違反で摘発されれば、倒産してしまう状況です。
それでも法律違反を指摘し、摘発すべきか否か、主人公の立場に立てば、なかなか難しい判断を迫られる事例ですね。
摘発せずにおくべき事情としては
①事故は従業員の体調不良が原因であり、社長が立ち会っていたとしても、絶対に防止できたとまではいえないのではないか
②確実に社長の人柄や言動などから考えれば今回現場に立ち会わなかったのはたまたまであり、摘発しなくとも今後は現場に立ち会うことが期待できる
③摘発の影響により倒産すれば、社長はもちろん、社長を慕ってまじめに働いている従業員の生活も立ちゆかなくなる危険があり、関係者に甚大な損害が生じるおそれがある
④初回の調査では、社長の立ち会いがなかったとする積極的な証拠はなく、再調査する根拠に乏しい
⑤労働基準監督官は労働者保護のために存在するべきところ、摘発が影響して倒産すればけがをした労働者も職を失うことになり、却って労働者保護に反するのではないか
などでしょうか?
摘発すべき事情としては
①社長の立ち会いにより、事故を防止できた可能性があり、しかも立ち会いは義務である
②この会社は経営が苦しく、社長が金策に追われたり、仕事を取りすぎて過酷なスケジュールになったり、条件の悪い仕事を請けたりする可能性があり、労働環境が悪化することによる事故再発の危険性がある
③摘発が影響して倒産したとしても、それは所詮そこまでの会社だったのであり、さらなる災害で負傷者や死者を出したりするよりはまし
④労働基準監督官は公務員であり、法の遵守が要求される以上、違法の疑いがあり、かつ必要が認められれば再調査すべきである
などでしょうか?
大局的に考えれば、やはり死者を出す前に、どんな形であれ歯止めがかかる方が良いように思います。
ただ、会社の当事者にとってみれば、これまでの必死の頑張りを否定されることになりますし、身近で見ている人もその苦しさがわかるだけに、判断を下す監督官も辛いと思います。
ドラマは、従業員が他社に移籍できるという、そこそこのハッピーエンドでしたが、なんだか見ていて切ない思いでした。
社労士の登場時間がどんどん長くなっていますが、今回も突っ込みどころ満載です。
まあ、それを楽しみにテレビにかじりついているところもあるんですが・・・
長くなるので、この続きはまた次回にします。
あ~ホンマにもう・・・「ダンダリンブログ」になってまんがな・・・(^_^;)
2013.10.15
ダンダリン第2話 その2
ダンダリン第2話の続きです。
第2話では、社労士が少し物語に絡み始めています。
前回、労働基準監督官の元同僚としてのみ現れた社労士。
今回は、悪徳社長に管理監督者制度を紹介した社労士として登場していました。
現実には、ドラマの社長が思い描いていたような、名ばかり管理職のでっち上げについて、社労士が指南することはまずありません。
なぜなら、名ばかり管理職にもとづく残業代不払いは違法であるばかりか、従業員さんの勤労意欲をそぎ、職場の雰囲気を悪くするからです。
そのような職場の雰囲気は、接客業であれば接客に影響を及ぼす可能性もありますし、接客業でなくても、従業員さんの入れ替わりが激しくなるなど、長期的にみても会社にとってマイナスです。
それに、脱法行為やいい加減な労務管理の提案をしてしまうと、社労士自身にも責任が及びかねません。
ですので社労士は、名ばかり管理職の危険性をはっきり指摘し、適正な労務管理を提案します。
違法なことをして目先の利益を図るよりも、企業の利益を増大させる方法はいくつもありますから。
ドラマでは、社労士が電話越しに半笑いで「だから言ったじゃないですかぁ~」と、臨検を受けている社長を突き放していました。
その社労士は、「管理監督者には相応の権限と待遇が必要である」ことを説明していたらしいので、違法行為を指南していたわけではありません。
しかし、その社労士の軽い口調、また、社長が、「管理監督者」という名前さえ付けてしまえば残業代を支払わなくてよいと誤解し、あるいは曲解していたことからして、権限と待遇の付与についてどの程度真剣に説明していたのか、という点が気になりました。
それでも、自分の職業や活動領域がドラマで取り上げられるということ自体には、ワクワクします。
ドラマですので、突っ込みどころ満載なのは当たり前なのですが、それでもついつい、真剣に見てしまいますぅ~。
テレビの前で正座して・・・(^.^)
2013.10.12
ダンダリン第2話
第2話は、いわゆる「名ばかり管理職」でした。
ざっくり言えば、労働内容に関してほとんど権限を持たない労働者を、管理監督者に仕立て上げることによって、使用者が残業代不支給を正当化しようとする手法です。
ドラマにもあったように、残業代を支払わなくてよいとされる「管理監督者」(労働基準法第41条2項)と認められるには、相応の権限と待遇も付与されている必要があります。
ドラマの中で、使用者である社長が、管理監督者には残業代を支払わなくてよいはずだと主張していましたが、部下のシフトも自分のシフトも決められず、待遇も通常のバイトと大差ないのであれば、とうてい「管理監督者」とは認められません。
管理監督者制度は、残業代不払いの抜け道として利用できないということです。
エンディングの場面で、名ばかり管理職にされた店長は、「自分が法的にどのような状態にあるかについて、これから勉強する。」という趣旨のことを言っていました。
多分、このような従業員さんはこれから増えてくると思います。
労働者である従業員さんも、自分の権利を理解し、考える時代に入ってきています。
このことは、労働基準監督官という、世間的にはマイナーな仕事がドラマ化されていること自体からも明らかです。
初回の視聴率は11%ほどで、さほど高くないそうですが、それでもテレビを見ている人の総数を考えれば、かなりの人が見ていることになりますね。
そのうちの一部の人でも、職場の違法状態をただすため、具体的な行動に出るとすれば、社会現象ともなりえます。
そうなれば当然、社長さんの側も、今まで問題が起きなかったからといって安心はできませんね。
労働に関する法律が、ご自身の会社においても現実に適用があることをしっかりと認識し、法律にそった職場を整備することが求められます。
社長さんと従業員さんがお互いの権利と義務をしっかり理解した上で、協力し合って、よりよい職場を作り上げていくことのできる企業が、これからも発展していくのだと思います。
第2話も突っ込みどころ満載でしたが、長くなるので「ドラマへの突っ込み」は次回にしますね。
2013.10.09
あべのハルカスにお越しやすぅ~
毎年10月は「社会保険労務士制度推進月間」です。
我々社労士の仕事を知っていただくため、社会に貢献するため、全国の都道府県会(社労士会)がいろんな行事を行います。
大阪は、来週から労働基準監督署、ハローワーク、年金事務所の場所を一部お借りし、社労士が無料相談を行います。
そして10/21(月)、10/22(火)は毎年恒例の「労働トラブル・年金無料相談会」が開催されます。
今年は、日本一高いビル「あべのハルカス」が会場で~す。
毎年この事業に関わらせていただいておりますが、相談に来られたみなさん一同に「来てよかった」「相談して良かった」とおっしゃって帰られます。
「ブラック企業に悩む従業員さん」、「問題社員に頭を抱えている社長さん」、「年金いくらもらえるんやろ~と不安に思われている方」、10/21・10/22は、「あべのハルカス8階 こもれびの広場」へお越しくださいマセ。
二日間共、朝10時から夜8時(最終受付7時半)まで相談会を行っていますので、会社帰りに寄っていただくこともできますね。
外国人の方には、英語・中国語・韓国語・インドネシア語で対応しています。
私は「広報」を務めます。
・・・って、天王寺駅周辺で「大声で呼び込み」やってると思いま~す!!
「御用とお急ぎでない方は、あべのハルカスへ寄ってらっしゃい!!相談しちゃってください!!」ってね。(^^)
2013.10.03
労働基準監督官のドラマ「ダンダリン」
昨夜から労働基準監督官のドラマ「ダンダリン」が始まりましたね。
社労士仲間の間では、労働基準監督官のドラマということで、放送前から話題に上っていました。
労働基準監督官は、あらゆる事業場において、労働関係の法律遵守をチェックする公務員です。
まさにわれわれ社労士が活動する領域と密接に関係する職業であり、監督官の方と接触する機会も多々あります。
昨日10月3日の第1話では、サービス残業にスポットが当てられていました。
残業分の賃金不払いを理由に、悪徳社長を逮捕するという内容です。
ドラマ制作者の意図としては、最近話題のいわゆる「ブラック企業」に焦点を当てることで、視聴率を獲得したいという意図があるのかもしれません。
監督の現場に立ち会うこともある我々社労士から見れば、監督官の振るまいがコミカルすぎますし、劇中で監督官が通勤途中に見かけた違法行為について、片っ端から注意してまわる、ろくに調査もせずに逮捕するなど、「ありえへん~」と、突っ込みどころ満載でした。(^^)
ただ、このドラマを通じて、すべての雇用関係に労働法の適用があり、会社の規模やその内部事情は法律違反の理由として通用しないという認識が広まればと思います。
「うちは法律なんて関係ないわ~」な~んて言ってた小さな会社の社長さんが、「労働法違反したら、エッライ目ぇに遭うねんな!!うちもちゃんとしとかんと!!」と考えてもらえるきっかけになればと思うのです。
第1話では、怪しげな社労士がチラリと登場しました。
この社労士・・・どのように描かれるのか、かなり気になっています。(^_^;)