労務トラブルのあれこれ
「明確でない残業代」は通用しません
ある日裁判所から訴状が届いた。
開封すると円満退職したはずの従業員からの残業代の支払い請求であった。金額を見てさらに驚愕・・・
その額なんと700万円!!
「うちは残業が多いので、基本給に残業代を組み込んでいるよ・・」と本人には話し、それを納得して働いてくれていたのに・・・
「解雇」は大きなリスクです
一流大学を卒業し、某有名大企業の管理職経験がある人が、我社の求人に応募してくれた。
「ウチにもこんな優秀な人が来てくれるようになった。りっぱな会社に成長したがな~」と、社長は大喜びで採用。
「給与もそれなりの金額にしなければ」と、これまでの水準とはかけ離れた高給で採用した。
ところが・・・「エリートだけあってバリバリ仕事をこなしてくれる」と思ったのは最初の2か月だけ。
試用期間を超えたとたん、全く仕事をしなくなった。
毎日出勤はするが、ただただ、パソコンの前でネットサーフィンをするばかり。
業務命令にも従わない・・・
「約束が違うがな!!」と賃金引き下げの交渉をしたが、本人は全く応じず。
仕方なく「能力不足」を理由に解雇をした。
数日後、本人から地位保全(解雇無効)の訴えをされた。
裁判所の命令により、示談が成立するまで高給を支払い続けることに・・・・・
長時間残業とうつ
毎日遅刻を繰り返す従業員A
最初の頃は30分1時間ぐらいで済んでいた。
しかし、そのうち昼前に出勤するのが当たり前に。
ITの制作会社のため、本人のやりたいようにさせていると、今度は徹夜するのが日常になった。
昼夜逆転の日が続いたのであろう、本人の気力や能力が急に衰えてきた。
そこでしばらく会社を休むように勧めたが、本人は「彼女(同僚)と一緒にランチをするのが唯一の楽しみだ」と応じない。
仕方なく、そのまま放置していた。
そんなある日「長時間労働が原因でうつになった これは労災ではないか」と突然本人より訴えられた。