「歩合給に残業手当が必要なの!!」と驚かれることがよくあります。
意外と見過ごされがちですが、歩合給にも残業手当(時間外労働手当)は発生します。
歩合給の残業手当は次のように計算します。
残業手当=歩合給÷その月の総労働時間×時間外労働時間×割増率
また、歩合給にも残業手当が発生する以上
残業時間が1ヵ月60時間を超えた場合の割増率(50%)の規定も適用されます。
注意すべき点として、歩合給の計算においては、以下のように固定給の場合と異なる部分があることです。
1.時間単価の算出方法
固定給の場合:時間単価=固定給÷月平均所定労働時間
歩合給の場合:時間単価=歩合給÷その月の総労働時間
2.割増率
固定給の場合:割増率=1.25または1.5
歩合給の場合:割増率=0.25または0.5
具体的事例で考えると次のようになります。
全労働時間 250時間
法定外労働時間 80時間(60時間+20時間)
歩合給 100,000円
だった場合・・・
残業手当=歩合給÷全労働時間×時間外労働×割増率
=100,000円÷250時間×(60時間×0.25+20時間×0.5)
=10,000円
以上のように計算方法は異なるものの、歩合給にも残業手当が生じることを知っておいてくださいね。
「歩合給は残業計算の対象にならない」と思い込んでいらっしゃる社長さんが結構いらっしゃるので、ちょっと書いてみました。