令和5年4月1日より、中小企業も「月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が50%以上」に引き上げられました。
1か月に60時間を超えて時間外労働をさせた場合は、その超えた部分の労働については、50%以上の割増賃金を支払わなければなりません。
ここで疑問が・・・
賃金が月末締めでない場合、4/1をまたぐ月は、割増率をどのように計算すれば良いのでしょう??
例えば賃金の締め日が20日の場合、賃金計算期間は3/21~4/20となり、施行日である4月1日をまたぐことになります。
3/21~4/20までの期間の時間外労働が60時間を越えてしまった場合、60時間を超えた時間の全てが5割増の対象になるのでしょうか?
答えは「否」
3/21~4/20ではなく、4/1~4/20までの時間外労働時間数が60時間を超えた部分のみが、50%割り増しの対象です。
仮に、3/21~3/31までの時間外労働30時間、4/1~4/20までの時間外労働40時間だったとします。
3/21~4/20までの1ヵ月の時間外労働は70時間となり60時間を越えますが、4/1~4/20までの時間外労働が60時間を超えていないため、「割増率は25%で構わない」ということになります。
・・・って、そもそも時間外労働70時間って働かせ過ぎでは??
限度時間(月45時間・年360時間)を超える残業は、一時的・突発的事由でしか認められていません。
36協定の特別条項に抵触しないか、注意が必要です。
残業は割増賃金を支払ってOKではなく、会社さんは従業員さんに対する安全配慮義務があります。
健康・福祉を確保しなければなりません。
長時間労働は人手不足も原因の一つですが、業務負担が増加すると、ますます人が辞めてしまいます。
負のスパイラルに陥る前に、業務効率化を促すなど、コロナ明け?の今のうちから働きやすい環境を整えていかれてることをお勧めします。